目次
こんにちは、まっさんです。
卵生メダカの育て方のまとめです。
卵生メダカとは
そもそも、卵生メダカとはどのような魚でしょうか?
卵生メダカ類とは、カダヤシ目の魚のうち卵生のものの総称。
wiki
ちなみに日本メダカも卵生なので、卵生メダカの一種です。
ただ、熱帯魚飼育で卵生メダカというと、派手な色彩の外国のメダカをさします。
さらに大きく分けると年魚と非年魚があります。
雨季、乾季のある地域に生息。乾季は卵の状態で土中で過ごし、雨季になると孵化してくる。ライフサイクルが1年のため年魚と呼ばれる
有名な種類
・ノソブランキウス属:ラコビー
・オーストロレビアス属:ニグリピニス
・キノレビアス属:フルミナンティス、マグニフィカス
年中水がある地域に生息。2~4年程度の寿命がある種類を年魚に対し、非年魚と呼ぶ
有名な種類
・アフィオセミオン属
・ディアプテロン属
・リブルス属
一言で卵生メダカといっても、全世界に分布しており、分布地によって飼育環境が全く違います。熱帯魚の一ジャンルにしては大きい括りですよね。
非年魚のアフィオセミオン属は、普通の熱帯魚の飼育と同じ感覚で飼えます。水草水槽で自然に繁殖する種類も多いです。ただ、高山に生息する種類は、水温や水質等難しい種類が多いので注意してください。
次に年魚ですが、こちらはアフリカのノソブランキウス属と、南米のオーストロレビアス属で少し違いがあります。ノソブランキウス属は産卵の時に、土に卵をばらまきますが、オーストロレビアス属は潜ります。別名ピートダイバーと呼ばれるように、セットした産卵床に潜って産卵します。
ノソブランキウス属の魅力
数ある卵生メダカの中でも、私が一番好きなのはノソブランキウス属です。
ですので、ここからはノソブランキウス属の魅力を紹介したいと思います。
魅力1 派手な色彩
何といってもこれが一番の魅力です。そして、多くの方の飼育のきっかけとなっているのがこちら
ノソブランキウス・ラコビー(旧)
※すいません。実は現在ラコビーは飼育していないので、写真はブラックタイプのものです。
泳ぐ宝石、一番きれいな熱帯魚
様々な呼ばれ方をしますが、ノソブランキウス属の代表的な魚です。写真はブラックタイプですが、原色に原色を合わせた発色は見事です。
魅力2 コレクション性
まずは、次の写真を見てください。
青色と赤色のきれいな魚ですが、実はこの2匹は同じ種類なんです。
青い魚 ノソ・エッゲルシーChamakwese TZ 08-01
赤い魚 ノソ・エッゲルシーTSTS 2012-13
エッゲルシーの後ろは、いつの採集で、どこでとれたかを表すロケーションです。アピストやワイルドベタでも、取れた産地をあらわすロケが付くことがありますが、卵生メダカの場合はさらに細かいです。
というのも、ノソブランキウス属はアフリカの雨季、乾季があるところに生息しているので、種類によっては雨季にできた水たまりという狭い範囲で交配します。ですから、上記のエッゲルシーのように少し離れたところで違う色の個体群が発見されたりします。
さらに、毎年の雨量の変化や地形の変化で、その水たまりが消滅してしまうこともあるので、いつ発見されたかも重要です。自然界では消滅し、趣味界にしかいないロケもたくさんいるそうです。
ラコビーなんかは、ロケが十数種類あり、ブラックタイプ、尾びれが赤タイプ等細かな差異があります。ですから、一口にラコビーといっても、全ロケをコンプリートしようと思うと大変です。
同じ種類でも数ある地域変異、自然界にはいないかもしれないロケを、自分のところだけで維持しているというコレクション性も大きな魅力の一つです。
魅力3 管理のしやすさ
これは賛否両論あるかもしれませんが、卵の休眠期間は水槽がいらないということです。
ノソブランキウス属は雨季に土の中に卵を産み、乾季が終わり再度雨季がきたら、孵化してきます。水槽下では、ピートモス等に卵を産ませ、それをチャック袋等に入れて数カ月保管します。卵の状態を見て、発生が進んだら水につけてやります。
卵の状態が数カ月あるので、夏場の熱い時期は卵で越したり、友人に卵を送ったりも簡単にできます。
また、上手く調整すれば1つの水槽で、2種類の卵生メダカを飼育することも可能ですし、増えすぎたら何かしらのケースで飼育できます。もともと水たまりで生活しているので、むしろ止水環境の方が合っているかもしれません。
魅力4 毎年発見される新種
最後に紹介する魅力は、毎年発見されている新種です。毎年ヨーロッパの学者さんが採集に行かれていますが、このご時世に毎年新種が発見されています。
また、研究も盛んで、これまでの名称が変わることも多いです。
先ほどから出てきているラコビーも現在はピエナリー、キャサノビに分けられています。
アフリカは国立公園や紛争地帯があり、まだ調査できていない地域もあるそうなので、まだまだ未知の新種がたくさんいるかもしれません。
ノソブランキウス属の飼育環境
適した水質は、生息地によっても違いますが
pH:弱アルカリ性
TDS:163 ppm
温度:21~28度
だそうです。
ただ、ノソブランキウス属は水質の変わりやすい浅い水たまりで生存できるように環境適応能力が高いため、ゆっくり慣らせばたいていの水質で飼育できます。
実際、スポンジフィルターを使用した我が家の水質はpH6.5、TDS120くらいです。フィルターのないプラケでは、pH6.5、TDS250くらいですが、水質の悪化にはかなり強く、3リットルくらいの容量があれば終生飼育できます。
通常の熱帯魚飼育と違う点
基本的に乾燥餌は食べません
基本的に乾燥餌に興味を示さないので、冷凍赤虫やミジンコ、グリンダルワーム等が主食になります。冷凍赤虫の保存方法を検討する必要があります。
一部乾燥餌を食べる種類もいますので、こちらの記事をご覧ください。
卵生メダカに乾燥餌!?卵のチェックは自分で
既に述べましたが、雨季と乾季を再現するために、ピートモスに産卵させ、それを保管しなければなりません。
普通の熱帯魚であれば、水中に産卵し、孵化するのをただ待てばよいだけですが、ノソブランキウス属の場合は自分で発生状況を見極める必要があります。発生が十分に進んだと判断した段階で、水につけ稚魚を発生させます。この漬け時を間違うと、正常に泳げない子が孵化することがあります。
ベアタンク飼育が基本
ベアタンクというのは底に何もしなかない水槽という意味です。ノソブランキウス属は、土に卵を産んでしまうので繁殖を考えるとベアタンクが基本です。
以前、ペットボトルを半分に切ったものを鉢にして水草を植えたことがありますが、ピートモスではなくそちらに産卵していました。
混泳は難しい
まず、同種での混泳はオス同士が激しくケンカをするので難しいです。基本的に1ペアまたはメス2匹の1トリオでの飼育になります。
他の魚との混泳は可能ですが、グッピーのようにヒレの長い魚はかじられる可能性が高いです。
流れが苦手
シモエンシ―やローゼンストッキなどは、流れのゆっくりな小川に生息するようですが、基本的には水たまりに生息していますので流れが苦手です。
止水飼育をするか、スポンジフィルター等の流量を極少量に調整して飼育する必要があります。
水草水槽での飼育は難しい
我が家の飼育方法
卵の孵化
100均一の透明カップかプラケにピートモスと水を注ぎます。軽くかき混ぜ、一晩おきます。
稚魚~幼魚
ピートモスをそのままにすると我が家では成績がよくないため、稚魚とピートモスを分離します。稚魚を水ごと別のプラケに移し、ソイル数粒、ウィローモスか浮き草を少しいれます。加えてPSBを添加。餌はゾウリムシ、ブラインシュリンプをあげます。
幼魚~成魚
1センチくらいになったら、スポンジフィルターをセットした水槽に移します。水量は餌を見つけやすいように半量。ミクロソリウムかアヌビアスナナを隠れ家にいれます。餌はグリンダルワーム、大きさに合わせて刻み赤虫に移行。
成魚
発色、体形のよい1ペアまたは1トリオを残し、水槽にピートモスをセットします。餌は赤虫。
飼育に必要なもの
・水槽
・スポンジフィルター
・ピートモス
・ヒーター
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